スターバックスで豆乳を頼んでも、料金が変わらなかったら、嬉しいですよね?

動物愛護団体として有名なPETAが、スターバックスのシアトル本社で、抗議活動を7月18日に行いました。
抗議の内容を簡単に言うと、「ミルクの代わりに、豆乳やアーモンドミルク、ココナッツミルクを頼んでも、別料金にしないで」というものです。
「SOY MILK SURCHARGE SUX(豆乳の別料金は最悪だぜ)」、「SURCHARGE UNFAIR TO PEOPLE OF COLOR(別料金は有色人種に不公平」というスローガンが並びました。
                                                                           Photo by PETA
抗議の理由としては、動物愛護活動家への差別と乳糖不耐症の人たち(たいていは有色人種)への差別、ということでした。
PETAは動物愛護団体なので、動物愛護活動家 (ミルクの選択は母牛と子牛の隔離に加担し動物虐待に繋がると主張している人々)への差別ということを理由に掲げるのはわかります。
豆乳(やその他)の別料金が、有色人種への差別になるというのは、初めて聞きました。
科学的根拠があるようです。
乳糖不耐症(牛乳に含まれる乳糖を分解するラクターゼが足りないことで、腹痛や消化不良を起こす)は、北ヨーロッパの人々に比べ、次の人々に多いという研究結果があるようです。ヒスパニック系(50-80%)、黒人(60-80%)、アシュケナージ系ユダヤ人(60-80%)、アジア人(ほぼ100%)、ネイティブアメリカン(ほぼ100%)。



北に住んでいるか、南に住んでいるかで、乳糖の消化に関して明らかな相違があるようです。北の国々の9割の人々は、乳糖を消化する一方、南ヨーロッパ地方のほぼ3割の人々は、乳糖を消化しないそうです。
北ヨーロッパの人々は、後年にラクターゼ(乳糖を消化吸収のため分解する消化酵素)を分泌するように進化したと考えられています。というのも、北ヨーロッパは日光が少ないため、体内で形成されるビタミンDの量が少なく、ビタミンDは骨の成長と再生のために必要で、それはカルシウムの摂取を通じて行われますが、ビタミンDが少ないため、乳糖がカルシウムを摂取する役割を担った、ということのようです。一方、日光が豊富な地域(南ヨーロッパ)では、こういった進化は必要なかったらしいのです。                                                               Photo by Stijn te Strake on Unsplash
そういえば、筆者も小学生のころ、給食で出ていた牛乳を飲むと、昼休みにトイレに駆け込んでいた、そんなことを思い出しました。
これって、乳糖を消化できていなかったのね、なんて思いました。

PETAの主張に対して、スターバックスは以下の見解を出しました。
「ミルクの代わりのものを入れたスペシャルエスプレッソドリンクは、ミルクの代わりにされたものにしたがって、値段が決まる。飲料品の値段は、標準的なレシピに基づいて決められているので、標準的なレシピに含まれないいかなる変更は、少額の料金が発生する。」

スターバックスの見解の立地ポイントは、ビジネスベース。
PETAの主張は、差別に端を発している。
お互いの意見の出どころが異なると、議論が平行線になってしまう気がします。
ここはスターバックスがビジネスベースの判断ではなく、多様性を尊重したサービスの一環として、豆乳をフリーにしてくれると、筆者は嬉しいです。

Source: EATER SEATTLE, health24, PETA
Posted by Tetsu

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